開設者の開設前の義務・開設後の義務についてお話してきましたが、出題されると厄介な問題が「開設者の届出すべき事項」に関する問題です。
今回は、その届出すべき事項についてだけまとめています。
また、美容師が名簿登録の際に届け出るべき事項も比較で載せていますので、比較して、差別化して、覚えてください。
今回の記事では、
・開設者が届け出るべき事項ってなに?
・美容師が届け出るべき事項ってなに?
これらの疑問にお答えしています。
ー目次ー
本ブログの情報提供者
本ブログの管理人は,熊本県弁護士会所属の弁護士です。
理容学校にて関係法規を2年教え,現在は美容学校にて関係法規の科目を担当しています。
美容師試験の勉強のために本ブログを読むかたは「美容師法のポイント」をまずお読みください。
届出事項
開設者は、美容室を開設する際、開設届出をしなければなりませんでしたね。
(開設者のその他の義務については、「美容室を開業するには?」、「美容室を開設した後は・・・」を参照されてください)
その届出事項については、上記画像の通りです。
この画像に加えて美容室の構造設備、美容室の開設予定年月日も届出事項となっています。
「こんなに覚えなきゃいけないなんてめんどくさい!」と思うかもしれません。
ですが、まずは①美容室に関係する人の名前(名称)と住所、②美容師の登録番号、伝染性の疾病がある場合にはその旨、③美容室の構造l、設備の3つ!と思っておいていただければ十分です。
そして、②美容師に伝染性の疾病が有る場合、開設者は医師の診断書を添付書類として提出しなければなりません。
以上のことからすれば、仮に私(大津)が美容室Aをオープンする場合、都道府県知事(又は保健所設置都市市長)に
「Aという名前の美容室をオープンします。開設者は、大津です。美容師として大津(登録番号1111)、山田(登録番号2222)が常時います。私大津が管理美容師となります。大津も山田も伝染性の疾病はありません。Aと大津、山田の住所は・・・・です。」
ということを事前に伝えるわけですね。
美容室の名前、住所が変更することはあまりないと思いますが、開設者、美容師、管理美容師の住所、氏名は結婚や引っ越し等で変更する可能性がありますよね。
その場合、開設者は変更届をしなければなりません。
そんでもって、この届出に関する義務に違反した場合には、30万円以下の罰金を受ける恐れがありましたね。
「届出の義務に違反した場合、閉鎖命令処分を受ける」というひっかけ問題が出ますので気をつけてください。
(詳しくは「開設者がルール違反をしたら」を読んでください)
美容師との比較
それでは届出事項の比較として、美容師が届出すべき事項についておさらいしましょう。
美容師が、美容師試験に合格した後、免許申請の際に届出すべき事項は、
①氏名、②生年月日、③性別、④本籍地でしたね。
(詳しくは「美容師になるまで」をご覧ください)
これに加えて、戸籍謄本と、精神の機能の障害に関する意思の診断書を添付しなければなりませんでした。
本籍地と住所(住所地)の違い、覚えているでしょうか。
本籍地=戸籍のある住所です。これが間違っていないかを確認するために戸籍謄本を添付しなければなりません。
住所(住所地)=現在住んでいるところの住所です。
そして美容師試験に合格しても免許がもらえない免許欠格事由というものがありましたよね。
その中で「心身の障害により美容師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定める者」が免許欠格事由に該当するとのことでした。
(ちゃんと覚えていましたか?不安になった人は「美容師になるまで」を要チェック!)
この心身の障害によって業務を適正にできるか否かを判断してもらうために精神の機能の障害に関する意思の診断書を添付しなければなりません。
美容師も上記①から④の項目に変更があった場合には、変更届けをしなければなりません。
美容師の場合、変更届けを忘れていても美容師自身に罰則はありませんが、美容師の氏名が変ったのに開設者が変更届けをしなかった場合には、上に書いたように罰則があります。この辺がひっかけ問題として出たことはありませんが、今後出題される可能性がありますので、押さえておいてください。
最後に
いかがだったでしょうか。
開設者が届け出るべき事項をまず押さえることができたでしょうか。
美容師が届け出るべき事項と併せて押さえることでひっかけ問題にやられないようにしましょう。